講 師:野田 公夫 氏 (京都大学 農学研究科 教授)
収録映像:http://youtu.be/iHcxkpd9zxw講義概要:「"戦時末期、米がないから芋を食べた"という記憶は『正しい』か」。
第二次世界大戦期が国民的な食料危機の時代であったことは、誰もが知っている
事実であろう。たとえば、次のような見方(1.2.3.4)は、かなり一般的な「常識」
かもしれない。
1.
日本は戦時体制突入とともに全力をあげて食糧増産にとりくんだ。
2.しかし、労力も資材も不足をきたしたため十分な成果はあがらず、生産の減退を
余儀なくされ、その結果食糧事情は悪化した。
3.さらに、戦争がすすむにつれて主食のコメも手に入らなくなり、やむなくイモ
ばかり食べていた。
4.こうして、食糧危機は戦時体制最終盤にはピークに達した。
しかし実は、このなかで「正しい」といえるものは一つもない。
何がどう間違っているのだろうか? 一つ一つを検討しながら、日本における戦時下
食糧危機の実相を考えたい。
講師プロフィール:のだ きみお 1948年名古屋市に生まれる。
京都大学農学部卒・同大学院修了。島根大学農学部講師・助教授を経て、京都大学
農学部助教授・教授、農学研究科教授、現在に至る。専門は、近現代日本農業史・
比較農業発展論。近作として野田公夫『歴史と社会 日本農業の発展論理』農山漁
村文化協会・2012年6月、同編著『農林資源開発史論』I.II京都大学学術出版会2013
年2月(予)
京都大学職員組合 副委員長、農学部支部 支部長などを歴任。
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