2020 年度の委員長に信任いただきました農学部支部の
伊庭治彦です。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、大学を卒業後に民間企業に就職した後、地方公務
員、そして大学へと転職しました。いずれの職場でも労働
組合に加入し活動に参加してきました。民間企業はユニオ
ン・ショップ制でしたので就職と同時に組合に加入します。
この最初の組合での活動が最も活発でした。賃上げや労働
条件改善を要求し、交渉がまとまらなければサボタージュ
も実施しました。使用者側である交渉相手は全て元組合員
ですが、決して「御用組合」ではなく、真剣な交渉が毎年行われました。そこに
は、労使両者に、交渉を通して職員が気持ちよく働ける職場をつくる、という使
命感がありました。
地方行政機関はオープン・ショップ制ですが、一定の組織率の下で、組合員の
身近な問題から組織全体の課題までを対象に、活発な交渉が行われました。
私にとって労働組合は労使がよりよい職場づくりを行う上で不可欠な機関であ
り、活動そのものです。労働組合が機能不全となり、労働者の思いを伝え、実現
する場が無い組織において、使用者側だけが形成する職場とはどのようなもので
しょうか。数多くのニュースは、理不尽がまかりとおる職場の悲劇を伝えていま
す。
今年7月に京都大学の団体交渉に初めて参加したとき、交渉相手である理事が、
本組合を京都大学の外にある組織であるかのような認識を何度も示され、強い危
機感をいだきました。「京都大学を構成する職員がよりよい職場づくりを目指し、
労働組合を組織し、活動している」ことへの理解が欠如している使用者側は、ど
のような職場をつくろうとしているのでしょうか。
よりよい職場づくりにむけて、労働組合がその機能を十分に発揮するためには、
やはり多くの職員の方に参加いただくことが必要です。どんな小さなことでも結
構です。職場についての皆様の思いを発信する場として本組合を活用してくださ
い。どうぞよろしくお願いいたします。