講 師:高山 佳奈子 氏(法学研究科 教授)
講義概要: 2009年に開始された裁判員裁判は、死刑や無期懲役が科されうる犯罪を
すべて対象にすることになっている。そして、裁判員は、事実認定だけで
なく、言い渡す刑罰を決める判断もしなければならない。しかし、法律の
素人である一般人にとって、刑罰を決めなければならないということは、
実際にはかなり苛酷な義務である。
このミニ講義では、死刑を中心とする刑罰に対する一般人の考えと、日本
の法制度が前提としている複雑な刑罰理論とが隔たっていることを示し、そ
の上で、裁判に参加する一般人にできることは何かを検討する。
講師プロフィール:高山 佳奈子 氏
1968年東京都生まれ。東京大学文科I類を経て1991年同大学法学部卒、同大学院法学研究科修士課程、助手を経て、1996年成城大学法学部専任講師、2000年同助教授。1998年から2000年までドイツ・ケルン大学留学。2002年京都大学大学院法学研究科助教授、2005年同教授。2006年ドイツ連邦共和国功労十字勲章小綬章受章。
著書に『故意と違法性の意識』(1999年、有斐閣)、『たのしい刑法』(島伸一ほかと共著、1998年、弘文堂)、『法の同化ーーその基礎、内容、方法ーー』(カール・リーゼンフーバーと共編、2006年、deuyter)など。2003年度京大職組女性部副部長、2004年度同法学部支部長。
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