| 悔いのないように行動しましょう |
京都大学職員組合 中央執行委員長(2012年度) 高山佳奈子
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現在、多くの国立大学において給与引下げが実施されてきています。京都大学
でも、具体的な賃下げ案の中枢関による了承が進められています。しかし、そも
そもこうした措置は、合理的な根拠を有するのかが疑問であるのみならず、たと
え根拠があったとしても、教職員の生活をおびやかすものです。職員組合は、不
当な措置に断固として反対し、働く人々を守るためにできる限り闘って参ります。
労働者が団結し、経営者と交渉する権利は、日本国憲法や法律、また、国際法
によっても保障された普遍的な権利です。たとえば、大学が有期雇用について5
年間を超える雇用を廃止し「雇い止め」を行おうとした際には、組合の取組みに
よって、不十分ではありますが、一部、雇用の延長を実現することができました。
ちょうど今、社会のニュースとして、学校におけるいじめの問題が取り上げら
れています。子どもの立場でも大人の立場でも、いじめを発見したのに見て見ぬ
ふりをし、良心の呵責を感じたことのある人はいないでしょうか。正しいことを
するには勇気がいるかもしれませんが、勇気を出して行動するのと、正しいと思
ったことをせずに後々まで悔いを残すのとでは、どちらが良いでしょうか。職員
組合の活動にも、同じ面があると思います。正しいことをする人が誰もいなけれ
ば、学校ではいじめが放置され、国は全体主義に進んでしまうでしょう。
もはや、手をこまねいてばかりはいられません。教職員の勤務条件が危機にさ
らされている今こそ、まさに、組合の存在意義が最も際立つときだと思います。
この機会に組合拡大の気運を高めていきましょう。京大職組は、国立大学法人化
の前年には、大規模な組合員拡大キャンペーンを実施し、270名以上の新規組合
員の加入を得たこともあります。今般もそのような成果を上げられるよう工夫し
て参ります。
委員長ひとりの力はとても小さく限られています。ぜひ、みなさんの積極的な
ご支持とご助力をよろしくお願いいたします。
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たかやま・かなこ
京都大学法学研究科教授、同法科大学院教授。1968年東京都生まれ。東京大学文
科I類を経て1991年同大学法学部卒、同大学院法学研究科修士課程、助手を経て、
1996年成城大学法学部専任講師、2000年同助教授。1998年から2000年までドイツ
ケルン大学留学。2002年京都大学大学院法学研究科助教授、2005年同教授。
2006年ドイツ連邦共和国功労十字勲章小綬章受章。
著書に『
故意と違法性の意識』(1999年、有斐閣)、『たのしい刑法』(島伸
一ほかと共著、1998年、弘文堂)、『法の同化ーーその基礎、内容、方法ーー』
(カール・リーゼンフーバーと共編、2006年、deuyter)など。2003年度京大職
組女性部副部長、2004年度同法学部支部長。
このWebサイトにて同氏によるミニ講義「
裁判員裁判と刑罰」の収録映像を公開
中。また、委員長就任とあわせて任期期間限定の
ブログを開設。