研究紹介ミニ講義について

 研究紹介ミニ講義は、京都大学で営まれている研究の一端を紹介するものです。このとりくみを通じて、学外の方には大学における教育・研究・医療へのご理解を深めていただくこと、学内においては教職員の相互理解に資するべく、2011年の夏から実施しています。

 概ね月1回、昼休み時間に京都大学職員組合に加入する教員を中心に、講義形式で研究の紹介をしています。また、講義収録映像はYouTubeでも公開していますので、会場での聴講ができなくても、後日お好きな時間にご視聴いただけます。なお、講義後の質疑応答は収録いたしておりませんので、ご了承ください。

 最新の講義は、このページの埋め込み映像でご覧いただけます。最新講義以外の収録講義は、YouTubeの映像再生ページへのURLで表示しています。
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Mini Lecture Archives

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2013/03/13

「入会と漁業 ー日本漁業の将来ー」

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講 師:間宮 陽介氏 (京都大学人間・環境学研究科 教授)

資 料:
資料スライド.pdf

講義概要:東北地方太平洋沖地震で東北の沿岸部は津波による壊滅的な被害を受け
     た。その復興にあたって、漁業や沿岸利用の自由化が進められようとし
     ている。自由化を推進する人たちは言う「海はみんなのものだから、も
     っと自由に使えるようにするべきだ」と。一見もっともらしい主張だが、
     本当にそうなのか? 漁業や沿岸は古来よりその地域の漁民達が「入会」
     を設けて水域を共有し、持続的に水産資源が得られるように管理してき
     た。資本の参入は、漁獲や沿岸開発を効率的に進めるだろう。かつてマ
     ルクスは「資本に郷里はない」と述べた。その水域で収益が得られなく
     なれば、資本は他の水域に移るだけで、収益が得られなくなった水域は
     どのような姿で残されるのか? 

     何もかもがマーケット・エコノミーで動く現代、非市場的な"入会=コモ
     ンズ"には経済を安定化させる効果が見られ、新たな意味合いを持ちはじ
     めている。一方、従来から入会を管理してきた人たち(漁協など)の内部改
     革も必要と氏は訴える。


ご注意:
    ※今回の講義は、講師のご意向により、講義の収録映像は一般公開を控えさ
     せていただいています。組合員の方は組合員限定ページにログインの上ご
     視聴ください。
    ※講義概要の文章は講師が執筆されたものではなく、聴講した主催スタッフ
     がまとめたものです。

講師著書の紹介

市場社会の思想史ー
自由をどう解釈するか

増補 ケインズとハイエク―
“自由”の変容

 
雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉







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