講 師:白岩 立彦 氏(農学部支部|農学研究科)
日 時:2017年12月27日(水)昼休み
【講義概要】
ダイズは、世界の生産量が過去55年間に10.7倍にも増大し、“奇跡の作物” と呼ばれます。良質な油とタンパク質の供給源として需要が増え続けているためです。しかし、日本のダイズの単収(単位面積当たり生産量)は、水稲のそれに比べて、著しく低くかつ不安定です。私は、ダイズの単収向上を目指して、いわゆる多収品種を育成するために鍵になる形質や環境ストレスによる収量低下機構などについて、作物生産生態学的*な研究をしています。
圃場の作物は、多かれ少なかれ環境ストレス下にあります。日本のダイズ作では、生育初期が梅雨に当たるので過剰な水分による障害(湿害)が多発し、近年、夏に高温乾燥が温度上昇によるマイナスも懸念されています。それらを克服して生産を向上させる方策は、ストレス耐性品種を開発すること、およびストレスの発生を回避すること、に大別されます。耐えることと逃げること、どちらが得策か、いくつかの研究を紹介したいと思います。
*作物生産生態学=野外で生育する作物の主に群落を対象にして、生長や収穫の大小を決めるしくみを扱う分野。
【講師略歴】
白岩 立彦(しらいわ・たつひこ)
現職:京都大学農学研究科 教授(農学専攻)
略歴
堺市生れ、大津市在住
1995年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程研究指導認定退学
名古屋市立大学経済学部専任講師、助教授、
同大学院経済学研究科准教授、教授を経て
2014年 現職
1982年4月 滋賀県立短期大学農学科助手
1995年4月 滋賀県立大学環境科学部助手
1998年2月 京都大学農学研究科講師
2001年8月 京都大学農学研究科助教授
2006年4月 京都大学農学研究科教授
この間、
1988年6月、1992年1月 フロリダ大学客員研究員
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