研究紹介ミニ講義について

 研究紹介ミニ講義は、京都大学で営まれている研究の一端を紹介するものです。このとりくみを通じて、学外の方には大学における教育・研究・医療へのご理解を深めていただくこと、学内においては教職員の相互理解に資するべく、2011年の夏から実施しています。

 概ね月1回、昼休み時間に京都大学職員組合に加入する教員を中心に、講義形式で研究の紹介をしています。また、講義収録映像はYouTubeでも公開していますので、会場での聴講ができなくても、後日お好きな時間にご視聴いただけます。なお、講義後の質疑応答は収録いたしておりませんので、ご了承ください。

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2015/01/29

歴史からみた東アジア

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日 時:2015年1月29日(木)昼休み

講義題:「歴史からみた東アジア

講 師:堀 和生 (京都大学 経済学研究科 教授)

講義資料:歴史からみた東アジア.pdf
https://1drv.ms/b/s!AmKvrfs6CciGgYIWSXwF2a1_xHv-dQ?e=yGkW6x
  ※映像の中では読みにくい文字もありますので、補助資料としてご覧ください。

収録映像:http://youtu.be/cdUnZLK-8mk (YouTube) 

講義概要: 今日新興国の経済的な台頭が注目されるようになり、いわゆる後進
     地域においても広範に経済発展が起こっています。そして、日本、中
     国、韓国、台湾から東南アジアまでを含めた広義の東アジア地域
     は、現在世界最大の工業中心地になっています。21世紀の初頭、世界
     経済のなかで東アジアを中心とした経済的な台頭が、大きな変化の原
     動力になっていることは、誰もが実感するところです。
      しかし、このような事態がひろく認識されるようになったこと
     は、それほど古いことではありません。かつての伝統的な社会科学で
     は、近代資本主義が成立するということはきわめて困難な課題であ
     り、厳格な条件を備えた社会、つまり欧米社会だけにおいて成立する
     ものだと考えられていました。そして、その唯一の例外が日本である
     と。ところが、冒頭にみたような現在の状況を見ると、そのような伝
     統的な歴史観はもはや説得力を持たなくなっています。とすると、経
     済発展や近代化という問題で、これまでのとらえ方とは異なる新しい
     枠組みを創らなければなりません。
      その際、良い素材が東アジアの近代経済史だと考えます。かつ
     て、日本は他のアジア社会とは異なるっているので、日本のみが欧米
     化することが可能であったと捉えていました。ところが、今日のよう
     に東アジア各国が次々と経済発展を遂げてくると、日本を例外とする
     のでなく、むしろ日本は東アジア経済発展の先駆であったという見方
     が出てきたわけです。このような新しい発想で東アジアの歴史をみる
     と、従来見えていなかったいろいろのことを発見することができま
     す。また、このような歴史的な視点は、今日東アジアが抱えている数
     多くの問題について、具体的なで解決の手がかりを提供してくれる可
     能性もあります。このようなことについて、皆さんと一緒に考え議論
     をしてみたいと思っています。


       この話題に関心のある方は、京都大学広報誌『紅萌』に私の研究紹介
     が出ていますので、ご一読ください。
     http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/public/issue/kurenai/documents/19.pdf

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